積水ハウス・地面師事件の真相と、63億詐取したその手口とは?

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「地面師」

普通に生活を送っている一般の方々にはあまり馴染みのないフレーズだ。

しかし、不動産業界の中では最も注意しなければならない「不動産詐欺グループ」の事を意味する。

2017年6月、積水ハウスが63億詐取された事件は記憶に新しい。都内の超一等、業界最大手企業の積水ハウスをも騙してしまう「地面師とは」

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「地面師とは」積水ハウスをも騙した詐欺集団

地面師とは何なのかを正式に指定した国の発表や、公的機関の「定義」は未だ存在しない。

しかし、説明の前に独自に「地面師」の概要をまとめた方が解りやすいだろう。さらによく聞く「地上げ屋」との相違点もまとめた。

地面師とは

  • 不動産物件を詐取する「詐欺グル―プ」主な特徴としては
  • 土地や建物の持ち主が知らないうちに本人になりすまし、勝手に不動産を転売又は担保に入れ代金を詐取する
  • 身分証明書や印鑑証明書を偽造する者がいる。
  • 登記簿上の本人に成りすまし、実際の交渉にも顔を出す「実在の偽者」がいる。
  • 架空の法人を設立する者
  • 実在の「不動産鑑定士」「司法書士」「土地家屋調査士」「建築士」「宅地建物取引士」などの専門家も詐欺に加担している

地上げ屋とは

  • 主にバブル期、時代の背景もあり「土地価格は絶対に下がらない」との神話の元、土地をのべつまくなしに買い取っていった集団。
  • 売却を拒むものに対しては嫌がらせをし、強制的に退去に追い込む。
  • 目に見える嫌がらせが多い。抵抗する者の家に火をつけボヤをだす。
  • 家族(娘、息子)への危険を感じさせる文言で脅迫する
  • 重機や車などを使用し、直接家屋に被害を加える。

地面師は「詐欺集団」

地上げ屋は目に見える解りやすい実力行使型の犯行。

これで違いは明確ではないか。

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地面師事件の登場人物と出来事をまとめてみる

今回の事件、紐解いていけば、なんて事は無い単純な事件なのだが、結構複雑な説明になるので先にまとめてみた。

人物・組織 事柄 結果
海喜館・女将 今回の土地の持ち主。売却を固辞 現在は死去
IKUTA社 不動産仲介業者。積水ハウスとの交渉窓口 「窓口」のみの介在と主張
なりすまし女「K」 謄本移転を可能にした「女将のなりすまし人物」 謄本を移動させその後失踪
女将の実弟2人 女将の実弟・謄本の正式移転をする  
積水ハウス 今回土地を購入した大手不動産会社 詐欺が発覚後、警察に通報
地面師グループ 各専門家。資格を実際に持った実在する人物たち 全容は未だに改名されず

地面師が目を付けた超一等地・女将が所有権者で売却は固辞し続けた

今回事件になった不動産は、山手線からすぐの「海喜館」。

戦前は非常に賑わっており、戦争により建物を焼失するも1949年(昭和24年)頃に再建し、当時の賑わいを取り戻した。

しかし、ここ数年は女将の体調もあり営業はされておらず、山手線すぐの広大な土地と建物は不動産業者の注目を集めていたという。

土地は三代目の女将が所有権を持つ。三代続いた老舗の土地は親から子へ相続されており、都内の中心地で600坪の広大な土地であるが、所有権者は女将1人。非常に解りやすい状態だ。

そして女将は代々受け継いだ土地の売却を固辞し続けていた。

女将の体調不良で営業停止・女将のなりすまし女「K」

しかし、2012頃、女将の体調不良により「海喜館」は営業を行えない状態になり、土地と建物はそのままの形で放置されている状態に。

IKUTA社に謄本が移動したと・・

そして2017年の4月、不動産仲介業IKUTAホールディングスにこの土地の謄本が移動。

この謄本移動に暗躍したのが女将のなりすまし女「K」だと言われている。

積水ハウス・IKUTA社・小林起元代議士事務所・女将のなりすまし女「K」の関係

そして積水ハウスは前から取引があったIKUTA社を窓口に交渉し「K」に63億円を支払う。

契約早期の段階で9割にも上る金額を払っているのは今回の積水ハウスの脇の甘さを感じさせる。

そしてIKUTA社と「K」の関係性も不透明だ。

IKUTA社の代表は女性の「A」氏。しかし実際のオーナーは「生田」という男性。

そしてIKUTA社が事件の当時、本社を置いていたのが小林起元代議士の事務所だ。小林事務所側は登記上、「事務所にしていただけ」と語っている。

IKUTA社はこれまでに積水ハウスと何度も不動産売買で取引をしており、積水ハウス側も取引実績があったからこそ今回も信用したのだろう。

そうなるとIKUTA社も「私たちも騙された」と言えば「なりすまし女」に騙されたというのが大方の見方になるだが、IKUTA社は今回の件に関しての立場を明言していない。

「K」とIKUTA社が通じていたという線も消えていない。

大田区在住の「女将の実弟2人」が相続を理由に所有権を移転・この時積水ハウスは63億をすでに「K」に支払っている

そして2017年6月になり、女将の実弟と見られる男性2人が土地の所有権を移転。

「登記所での正式な移転」が行われたのだ。

この時、積水ハウスへのこの土地の譲渡が出来ない事態に。

事件が発覚した瞬間だ。

前述したが、この時積水ハウスはIKUTA社を通し、すでになりすまし女「K」に63億を支払ってしまっていた。

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地面師による詐取が決定的に。「K」は雲隠れ

そして、その後この「K」は雲隠れ。63億の金は詐欺グループに詐取された。

今回の事件でこの「K」の面はすでに割れているという。なんせ偽造パスポートに乗っている写真は本人だ。交渉の場には直接出向いているのだ、当たり前と言えば当たり前だ。

パスポート現物

出典:yahooニュース

これまでの数々の地面師事件の動向を見ていると2~3億の事件が多く、「成りすまし役」に支払われるのは数百万だという。

しかし今回詐取されたのは超巨額の63億。この「K」も相当額を手にしたのではないか。

地面師に騙された積水ハウスの脇の甘さ

もちろん、詐欺をする側が悪い。これは間違いないが・・

詐欺の被害に遭った積水ハウスの脇の甘さも目立つ。

こうして事件を追ってみると、「偽造の書類」と「本人確認」の徹底だけが問題だったことが解る。

信頼するIKUTA社の紹介であっても、毎回100%の確認をするのは当たり前の体質になっていなければおかしいだろう。

今回の事件に関係した各所は一様に口が重い。それもそのはずだ。ミスが単純すぎて語る事がないだろう。

今回は民間の事件。各所が各々責任をとって鎮火した。

こういった事が国レベルで起こらない事を切に願う。

 

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